2015年 / 千葉県柏市
千葉県産のサンブスギを活用した地域に根差した医院建築
平野医院は、昭和31年の開院以来、南柏地域に根差した医院として外来診療・訪問診療を続ける医院です。
建替計画では、医院の機能改善や快適な診療環境づくりと合わせて、地域環境の向上にもつなげることを目指しました。そのため、千葉県の地域産材でサンブスギの積極的に利用した設計を心掛けました。
敷地は、南柏駅からのバス通りに面した住宅地です。建築全体のシルエットは、延べ床面積580㎡の建物ボリュームを分節し、それぞれに軒の深い勾配屋根をかけて周辺環境に馴染ませました。バス通り面ファサードのメインボリュームは、厚さ3cmのサンブスギ板外壁仕上げとし、木の表情がある街の風景をつくりました。そのため、サンブスギの塗装は製材時の木地をそのまま表すことができる、高耐久浸透透明塗料としました。
竣工後7年経過しても、製材時の木地の色が続いています。また道路面外壁には西日が直接当たりますが、サンブスギ板が日除けの役割も果たしており、外壁からの熱負荷の軽減にも役立っています。そして、サンブスギ材を中心に、医院の内外に多くの国産木材を使用して、医院の利用者だけでなく地域の方のための居場所もつくりました。
平野医院は、サンブスギの魅力を医院の環境だけでなく街の魅力づくりにも生かした建築となっています。
設計概要
- カテゴリー
- 診療所
- 所在地
- 千葉県柏市
- 床面積
- 586㎡
- 構造
- 鉄骨造2階建
- 竣工年
- 2015年
- 賞
- 千葉のきづかいコンペティション2020
最優秀賞