軒の深い切妻屋根の下で日々の季節の変化を楽しみながら暮らす家

家は暮らす人のプライベートな居場所であり、その室内空間は生活の多くの時間を過ごす大切なスペースです。一方、さわやかに晴れた日に木漏れ日の下で過ごしたり、色づいた紅葉から季節の移り変わりを感じる時間は、人々に英気をもたらします。この様な屋外でのひとときを、普段の生活の中で感じられることは、暮らしを豊かにしてくれると考えています。
この家の設計プロセスでは、最初に日常の中にある外での暮らしを紐解きました。そして建築の外周3方向にそれぞれ性格の異なる外部空間を設けました。ここは、四季を通じて過ごしやすい居場所とするため、できる限り大きな軒下空間を計画しました。特に、南東方向は、耐震等級を確保しながら、南側1.5m東側1.8mと2方向に大きく跳ねだした軒下空間とするために、逆梁架構を採用しました。また、施工中には跳ねだしのたわみを小さくするため、架構を締め固めるまでにジャッキアップを行ない、たわみ量を1mmに抑えるなどの監理をすることで、大きな軒下空間を実現しました。これらの軒下空間が、適切な関係で室内につながる様に、内外ともに木材仕上げ生かして連続性をもたせ、外での暮らしを室内に取り込む家としました。

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